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2012年アカミミガメパスポート報告

須磨海浜水族園では、外来種ミシシッピアカミミガメ(以下、アカミミガメ)を持参すれば無料で入園できる「アカミミガメ・パスポート」を、2012年4月28日~5月31日の34日間、実施いたしました。この企画は今回で3回目になります。

近年、外来種による川や池の生態系の破壊は深刻な問題です。当園は、外来種問題に関する調査、研究、教育活動に取り組んでいます。今回は、アカミミガメの繁殖が始まる5月に、多くの市民に駆除を実践していただき、アカミミガメを減らすことが目的です。また、持ってきていただいたアカミミガメの情報より、現在の状況をより詳しく把握する意義もあります。

4月28日から5月31日まで行なったアカミミガメ・パスポートにより、223件506匹の持ち込みがありました。アカミミガメの収容を目的としていますが、アカミミガメ485匹(95.8%)のほかにクサガメ19匹(3.8%)、ニホンイシガメとスッポンがそれぞれ1匹が持ち込まれました。

アカミミガメ485匹のうち、本来の目的である野外から捕獲して持ち込まれたのは370匹73.1%、飼育に困って持ち込まれたのは101匹20.0%、野外から捕獲して飼育されていたのは35匹6.9%でした。2010年に行ったアカミミガメ・パスポートでは、全体の71%が飼育に困って持ち込まれたアカミミガメで、野外からの持ち込みはわすが28%でした。今回、野外で捕獲されたカメが73.1%を占めたのは、これまでの当園のアカミミガメ駆除の啓蒙活動が功を奏したのではと考えております。

また、興味深かったのは、アカミミガメの幼体が多く持ち込まれたことです。野外から持ち込まれた幼体は全体の370匹のうち147匹41.4%で、その多くは昨年の秋に生まれたものと思われます。今回の知見は、これまで正式な報告がないとされているアカミミガメの国内での繁殖の証拠となります。幼体が捕獲された場所は神戸市須磨区のため池や加古川市の別府川など兵庫県内で捕獲された個体が大部分でした。兵庫県の沿岸周辺の池や川ではアカミミガメが繁殖しており、子どもを残していることがわかりました。

 

持込みアカミミ幼体2012051-HP.JPG

持ち込まれたアカミミガメの幼体