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大阪湾・播磨灘で「スナメリ」の死亡個体が発見されました

須磨海浜水族園では、平成22年より瀬戸内海東部海域におけるスナメリの生態学的な調査を継続的に実施しています。今回、平成24年11月中に3個体のスナメリの死亡個体が発見されましたのでご報告いたします。
このスナメリ3個体は、発見の連絡を受けた当園の研究員が現地に向かい、計測および状況の確
認を行った後、当園に回収し順次解剖を実施しました。現在、11月19日に発見された個体のみ、解剖が終了しております。胃の中からは、魚やエビの一種が見つかりました。これにより、死亡の少し前まで、餌を食べていたと予想されます。
今回の3個体の関連性や死因については、現段階ではわかりません。しかし、播磨灘や大阪湾に
おけるスナメリの死亡漂着などの報告は少なく、このような記録の蓄積が生態学的な解明に役立ちます。今回得られた情報も、当園において記録保管していきます。
今後、死亡個体の漂着に関わらず、海での目撃や座礁した鯨類の情報がありましたら、当園ま
でご一報いただけますと幸いです。

 

◆回収死亡個体◆PA170095-1.jpg

【発見日】平成24年11月5日(月曜)  
   【体長】約140センチメートル
   【性別】不明

   【発見場所】大阪湾(大阪府泉南郡岬朝淡輪)

【発見日】平成24年11月12日(水曜)

   【体長】約160センチメートル
   【性別】メス
   【発見場所】播磨灘(兵庫県赤穂市御崎町)

【発見日】平成24年11月19日(月曜)
   【体長】約130センチメートル
   【性別】メス
   【発見場所】大阪湾(大阪府阪南市鳥取)

 

◆スナメリについて◆

    スナメリ色修正-1.jpg

学名 Neophocaena phocaenoides

クジラ目ハクジラ亜目ネズミイルカ科に属する小型鯨類で、成長しても体長は2メートル程度にしかならない。バンドウイルカのような背びれや吻はなく、背中には正中線にそって隆起が見られる。日本における主要な分布域は、仙台湾から東京湾、伊勢・三河湾、瀬戸内海から響灘、大村湾、有明海・橘湾で、日本沿岸の個体群については、水産庁のレッドデータブックにおいて希少種に指定されている。
山口県周辺の海域での発見が多数あるのに対し、瀬戸内海では、大阪湾や播磨灘、紀伊水
道などの瀬戸内海東部海域での発見は少ない。

 

 

◆当園のスナメリの死亡漂着個体調査実績◆

平成22年 3件
平成23年 7件
平成24年 5件(今回の3件を含む/平成24年11月24日現在)

 

◆当園からのお願い◆

海で泳いでいる鯨類を見た時は、なんだかワクワクし、砂浜に生きている状態で打ち上げられていると、元気になってほしいと皆で助けようとします。しかし、死亡した状態で発見されると、「臭い」や「汚い」といった感情と死んでしまっているのだからどうしようもないという思いから、そのまま放置されたりゴミとして処分されてしまうことが多々あります。しかし、解剖して胃の内容物を調べることで、自然界でのスナメリが何を食べているのかという食性を知る手掛かりとなったり、歯からは年齢を知ることも可能であったりと、死亡個体からしか分からないこともたくさんあります。死亡個体の漂着に関わらず、海での目撃や座礁した鯨類の情報がありましたら、当園までご一報いただけますと幸いです。

 

◆スナメリを発見された際の連絡先◆

須磨海浜水族園 TEL:078-731-7301
担当:研究企画課 中村