#

「日本海ウミガメ漂着ワークショップ」開催報告

   冬場の日本海では、時化た後に弱ったウミガメが漂着することが古くから知られています。例年なら多くても20例ほどのところ、2012年度の冬には167という記録的な数になりました。そこで、2013年4月24・25日に、日本ウミガメ協議会との共催で、この特異的な現象をについて考え、情報を共有するためのワークショップを開催しました。平日にも関わらず、日本海沿いの園館の担当者をはじめ、関係者や一般の方にも数多くお集まりいただきました。
 漂着が特に多かったのは福井県、石川県、新潟県の三県で、さらに、昨年生まれと思われるアカウミガメの幼体が大半を占めていたのが特徴的でした。また、モダマなど、熱帯・亜熱帯性植物の種子の漂着も同様に多かったとする情報に、注目が集まりました。遊泳力の乏しい子ガメと一緒に、日本海へ流されてきたのではないかと考えられるからです。その一方で、対馬暖流や日本海の水温構造には例年と大きな違いが見出せず、ワークショップの中で、昨年だけ大量に日本海に運ばれたことに対する明快な説明を導くことはできませんでした。
 しかし、これまで顔を合わせる機会をほとんど持たなかった日本海側のウミガメ関係者が一堂に会し、日本海の流れと子ガメたちの輸送になど焦点を当てた議論の場ができたことは画期的なことと言えます。今回のワークショップを契機に、関係者間でネットワークを構築し、情報共有や意見交換を密にしていくのと並行して、まずは子ガメやモダマのDNAを調べ、かれらがどこから来たのか、目安を付けていこうということになりました。
 急な呼びかけにも関わらず、お集まりいただきました皆さま、ありがとうございました。

 

2013.4.24-25日本海ウミガメ漂着WS002圧縮-HP.jpg   日本海ウミガメ漂着ワークショップ集合写真圧縮-HP.jpg
日本海ウミガメ漂着ワークショップの様子   参加者による集合写真