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【第4回神戸賞】授賞式及び記念講演会とサイエンスカフェを実施

第4回神戸賞授賞式及び記念講演会とサイエンスカフェを実施いたしました。

受賞者は、アマゾン川流域に生息するカワイルカとマナティーの生態を解明したVera Maria Ferreira da Silva博士(ブラジル国立アマゾン研究所教授)です。
「生物多様性の宝庫」アマゾンでは、急激な経済発展による開発のために
、環境破壊が進行し、多くの知られざる生命が真実を秘めたまま失われつつあります。上記2種のような大型動物を守ることは、彼らとつながる生物やその生息環境を守ることにつながります。また、森林伐採などに代わり地域経済を支えることが期待されるエコツーリズムにおいて生態系のシンボルとなります。その意味で、da Silva博士の取り組みは、単に2種の生態を解明しただけではなく、アマゾンの生物多様性、ひいては地球規模での環境保全にも大きく貢献するものです。 
今回の授賞を記念して、園内ではサイエンスカフェを、神戸市内のホテル
では受賞式および記念講演会を開催し、市民の皆様にも直にda Silva博士の講演を聞いていただく機会を設けました。

 

◆受賞者◆

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 Vera Maria Ferreira da Silva博士
(ブラジル国立アマゾン研究所教授)


アマゾンカワイルカ、コビトイルカ、アマゾンマナティーの研究と保全に
取り組み、1994年、ケンブリッジ大学で博士号を取得。国立アマゾン研究所副所長、動物倫理委員会議長などを歴任。国際自然保護連合 鯨類専門委員会委員。

 

◆受賞対象研究◆

 「アマゾンカワイルカとアマゾンマナティーの生態の解明と保全」  

アマゾンマナティーは、海牛類で唯一淡水域に生息する種です。乱獲により絶滅が危惧されていましたが、人目につきにくく、生態は謎でした。daSilva博士は、保護収容した個体から成熟年齢や妊娠・授乳期間などを調べる一方で、聞き取り調査や遺伝子解析から、地理的分布や地域集団の系統関係、近年の回復傾向などを明らかにしてきました。最近では、保護個体の野生復帰にも取り組んでいます。
また、原始的なクジラの特徴を持ち「生きた化石」とも呼ばれるアマゾン
カワイルカについては、長年にわたる観察から、アマゾン川特有のダイナミックな水位変動に対応した移動パターンや、興味深い社会行動を次々と明らかにしました。例えば、繁殖期のオスが、枝や石を口にくわえてメスにディスプレーをするというのものその一つです。道具を用いた性的ディスプレーは、これまで一部の霊長類でしか見つかっておらず、多くの関連分野からも注目されています。また、遺伝子解析から、実は本種が3種類に分けられることも発見しました。哺乳類の新種の記載は珍しく、アマゾンの奥深さを示す例としても注目されています。

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◆神戸賞選考委員◆

朝倉 彰氏(京都大学瀬戸臨海実験所教授兼所長/付属白浜水族館館長)

幸島司郎氏(京都大学野生動物研究センター教授)

幸田正典氏(大阪市立大学大学院理学研究科教授)

佐藤克文氏(東京大学大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センター教授)

亀崎直樹氏(神戸市立須磨海浜水族園研究教育部長/岡山理科大学地球生物学部教授)


 

◆授賞式および記念講演会◆

 

   
開催日時 平成26年6月1日(日曜)13時30分~16時(13時開場)
開催場所 ホテルオークラ神戸 1階 平安の間
講演題目 「アマゾンの生物多様性とカワイルカ・マナティー研究の最前線」

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記念のアマゾンマナティートロフィーを受け取り

笑顔のダシルバ博士

 

受賞後の記念写真

(左から吉田園長、ダシルバ博士、幸島選考委員)

     
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ダシルバ博士の功績と日本との関わりについて

紹介する幸島司郎選考委員

  受賞記念講演の様子
     
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アマゾンマナティーを模した受賞記念トロフィー  

ダシルバ博士を囲んでの記念撮影

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写真をクリックして、大きな写真をご覧いただけます。

     
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懇親会で日本酒を楽しむダシルバ博士   懇親会後の記念写真

 

 

 

◆サイエンスカフェ◆

 

   
開催日時 平成26年5月31日(土曜) 18時~20時30分(17時30分開場)
開催場所 本館1階 エントランスホール
講演題目 「アマゾンカワイルカの知られざる生態」

 

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講演中のVera Maria Ferreira da Silva博士

 

会場の様子


◆関連企画展◆

 

 

 

 

 

「『神戸賞』って、どんだけ~?」
開催期間 平成26年4月26日(土曜)~7月18日(金曜)
開催場所 本館2階ウッドパネル
展示内容 過去3回の神戸賞受賞対象研究の解説パネルと動画
   
【過去の受賞者と対象研究】
第1回

J. Emmett Duffy博士(米国ウイリアム・アンド・メアリー大バージニア海洋研究所)

  「カイメンに共生するエビ類における真社会性の発見とその進化系統に関する研究」
   
第2回

Hans Fricke博士(独国マックスプランク海洋微生物研究所/ライプニッツ海洋研究所)

  「シーラカンスの行動生態および生活史の解明」
   
第3回

Patrick J. O. Miller 博士(英国セント・アンドリュース大スコットランド海洋研究所)

  「大型鯨類の行動生態の解明」

 

※神戸賞とは…
研究活動と社会教育活動に力を入れる当園が、2010年に新設した国際的
な顕彰制度。水圏生物における調査研究活動の発展、自然環境保全に対する意識向上、神戸市のアピールにも貢献するべく、水圏生物学や生物多様性の分野において目覚ましい業績をあげた研究者を表彰し、副賞として100万円を贈呈。日本を代表する海洋生物学者で組織される選考委員会によりノミネート、最終選考が行われる。