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【第3回神戸賞】授賞式及び記念講演会とサイエンスカフェを実施

 

須磨海浜水族園は、「神戸賞」という顕彰制度を創設して、水圏生物学の分野、特に海洋生物を対象に優れた業績をあげた研究者を表彰するとともに、受賞者を神戸に招きその研究成果を市民にわかりやすく紹介する機会を設けています。選考委員会による厳正な審査の結果、今年の受賞者には、大型鯨類の行動生態を解明した、Patrick J. O. Miller博士(英国セント・アンドリュース大学講師)が選ばれました。

 

マッコウクジラは、歯を持つ動物としては世界最大で、大きなオスは体長18メートル、体重50トンにもなります。本種は、深度1000メートルを超える深海で、イカなどを捕らえていることが、胃内容物の調査などからは知られていました。しかし、潜水中の行動、特に餌を捕らえる様子については直接観察することが不可能で、謎に包まれたままでした。これに対し、受賞者のMiller博士は、従来の音響測定法を応用し、小型の記録計動物自身に取り付けて、音と行動を測定するバイオロギング手法を導入することで、マッコウクジラの狩りの様子の解明に挑みました。そして、潜水中にクリックス音を0.5~2秒間隔で発信しながら餌を探索し、潜水底部で次第に発信間隔が短くなる一連の音“バズ(あるいはクリーククリックス)”を用いながら、反転しながら餌を捕らえていることを発見しました。従来、餌の捕獲の際にバズが使われていると推定されていたものの、実際にそれを実証することはできませんでした。これまで、誰も見ることが出来なかったマッコウクジラの狩りの様子を解明し、海面下に広がる未知の世界への扉を開きました。

その他にも、マッコウクジラが海面付近で体を浮きのように垂直に立てて休むことなど、興味深い生態を次々と明らかにしてきました。音響測定とバイオロギングを組み合わせた新しい手法を駆使して得られた発見は、既存の仮説を覆し、鯨類に興味を持つ人々の疑問や関心に直接答えるもので、学術的にも優れた価値が認められます。

今回の授賞を記念して、園内ではサイエンスカフェを、神戸市内のホテルでは受賞式および記念講演会開催し、市民の皆様にも直にMiller博士の講演を聞いていただきました。パトリックさん圧縮.jpg

 

◆第3回神戸賞◆

【受賞者】

Patrick J. O. Miller 博士 (英国セント・アンドリュース大学講師)

 

【対象研究】

「大型鯨類の行動生態の解明」

 

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竿の端にデータロガーを仕掛けマッコウクジラの浮上を待つMiller博士(撮影:Matt Bivins)   マッコウクジラの背中にデータロガーを装着した瞬間(撮影:青木かがり)

 

 

 

≪授賞式および記念講演会&懇親会≫

 

◆開催日時◆

平成25年4月21日(日曜)13時30分~16時(13時開場)
※懇親会は16時30~18時30分(曙の間)

 

◆開催場所◆

ホテルオークラ神戸 1階 松風の間

講演題目:「深海の狩人マッコウクジラの知られざる行動」

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トロフィーを受け取ったミラー博士  

受賞者と選考委員

(左から順にこしだミカ氏、幸田先生、亀崎園長、ミラー博士、幸島先生、佐藤先生)

     
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記念講演をするミラー博士  

ミラー博士を囲んで参加者での記念撮影

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≪サイエンスカフェ≫

 

◆開催日時◆

平成25年4月20日 17時30分~20時


◆開催場所◆

当園 本館1階 エントランスホール
講演題目:「海の中の音は哺乳類の生活にどのような影響をおよぼすか?」

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