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【第一回神戸賞】神戸賞設立、授賞式及び記念講演会を実施

この度、須磨海浜水族園では、水圏生物学の分野、特に海洋生物を対象に優れた業績をあげた研究者を称える賞として「神戸賞」を設立致しました。受賞者は、水圏生物学の分野で国内外の研究成果に精通している学識経験者を中心とした選考委員会によって選考を行い、J. Emmett Duffy氏を第一回目の受賞者に決定致しました。

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今回、栄えある第一回の受賞者として決定したJ.Emmett Duffy氏は、アリやハチで確認されていた真社会性を海にすむテッポウエビ類で発見しました。今まで、他のエビ類はおろか、すべての海産無脊椎動物で確認されておらず、本種の生態は驚異の大発見といえます。

 

 

 

1.受賞者について

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【名前】J. Emmett Duffy

【所属】ウイリアム・アンド・メアリー大学 バージニア海洋科学研究所

【対象研究】 カイメンに共生するエビ類(SYNALPHEUS)における真社会性の発見 と、その進化系統に関する研究

【学歴】 1981年スプリングヒル大学(Spring Hill College) 卒業

1983年メーン大学修士課程(University of Maine at Orono) 修了

1989年ノースカロライナ大学博士課程(University of North Carolina at Chapel Hill)修了

 

 

【研究歴】

1989年 グアム大学海洋研究所  ポスドク研究員

1990年 スミソニアン研究所(国立自然史博物館) ポスドク研究員

1991年 ノースカロライナ大学海洋科学研究所 ポスドク研究員

1992年 カリフォルニア大学個体群生態学センター ポスドク研究員

1994年 ウイリアムアンドメアリー大学 海洋科学科 助教

1999年 ウイリアムアンドメアリー大学 海洋科学科 准教授

2004年 ウイリアムアンドメアリー大学 海洋科学科 教授

2005年 ウイリアムアンドメアリー大学 海洋科学科 主任教授

2005年 スミソニアン研究所(国立自然史博物館) 外来研究員

2008年 ウイリアムアンドメアリー大学 海洋科学科Loretta and Lewis Glucksman 教授

 

 

2.選考委員

・朝倉 彰氏(神戸大学大学院理学研究科教授)

・幸島司郎氏(京都大学野生動物研究センター教授)

・幸田正典氏(大阪市立大学大学院理学研究科教授)

・佐藤克文氏(東京大学大気海洋研究所 国際沿岸海洋研究センター准教授)

・亀崎直樹氏(神戸市立須磨海浜水族園園長 東京大学農学生命科学研究科客員准教授)

 

 

 

3.総評および選考理由について

薦された研究内容は、対象生物、分野ともに多岐に渡り、いずれの研究も非常に興味深く、高い独創性が認められる優れたものでありました。それらの中から1点選考するに当たり、海洋生物学の従来の概念を覆すようなものであるか、市民に海洋生物学の面白さを気づかせてくれるものであるかといった点を特に重視しました。 第一回目の受賞者として選んだJ. Emmett Duffy氏は、アリやハチの様に、女王エビや働きエビ、兵隊エビが存在する高度な社会性を持つエビを発見しました。このことは、海の生きものでは初めての発見であり、驚異的な研究であり、非常に優れた学術価値が認められます。また、講演会や須磨海浜水族園での展示を通して、広く市民に海洋生物学の魅力を伝えうる上でも適した内容と考えられ、神戸賞に値すると判断しました。

 

 

4.授賞式及び記念講演会

「君は女王エビを見たか!?~進化の常識をくつがえすあっと驚く大発見~」

(1)開催日時:平成23年7月10日(日)

(2)開催場所:ホテルオークラ神戸

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≪神戸賞とは≫

須磨海浜水族園が今年新たに設立した事業で、水圏生物学の分野、特に海洋生物を対象とした研究において優れた業績をあげた研究者を称える顕彰事業です。年齢、性別、国籍、地域、人種、信条は問いません。受賞者には今後のさらなる研究の発展を期待し、副賞として須磨海浜水族園から金100万円を贈呈します。受賞者は、事前に開催される選考委員会において選考しました。選考委員会は、水圏生物学の各分野をリードする非常に優れた研究者において組織されています。当園は神戸市を代表する社会教育施設であり、初等教育から高等教育までを対象に、段階的な教育プログラムを実践しています。また、水族園独自の調査研究を実施し、さらには国内外の研究機関とのネットワーク構築による調査研究機関としての機能拡充を行っています。 この様に、博物館相当施設である弊園が本事業を実施することは、研究者を称えるのみならず、市民の環境への意識の向上や環境行政への貢献、ひいては神戸市の国内外へのアピールにも寄与するものと考えています。