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うみと水ぞく:06/特別展REPORT

うみと水ぞく:06/特別展REPORT

今から104年前の明治30(1897)年に、神戸市兵庫区和田岬の和楽園(遊園地)内に、本格的なろ過施設を備えた水族館が、わが国で初めて建設されました。明治35年には、湊川神社の境内に移転され、「楠公さんの水族館」と呼ばれ市民に親しまれました。その後昭和5年には、湊川公園の中に新たに湊川水族館が建てられましたが、第二次世界大戦の激しくなった昭和18年に閉鎖されました。このように神戸はわが国の水族館発祥の地と言われています。この伝統を引き継ぎ、昭和32年には、当時東洋一の規模を誇った須磨水族館が開館し、昭和62年には、全面建て替えが行われ須磨海浜水族園に生まれ変わり、現在に至っています。

 今回の特別展では、約1世紀に及ぶ神戸における水族館のあゆみをポスターや写真等で紹介しています。展示しているポスターは、昭和32年の須磨水族館の開館をPRしたものをはじめ、水族園の建て替え、イルカライブ館やアマゾン館の新設、特別展など、その時々に話題となったものを中心に合計32点となっています。これらのうち平成8年度以降のポスターは、一般の方々から募集した原画をもとにつくられたものです。ちなみに、これまで延べ832人から946点の応募があり、80点が優秀作品に選ばれ、そのうちポスターに採用された作品は12点です。この他、和楽園全景絵(写)や和楽園水族館案内絵(写)、須磨水族館の模型、水族館や水族園の建設時の写真など、思い出深いものも展示されています。

 お客様の中には、懐かしそうに市電や市バスの写真をじっくりと眺めてなかなか動かない方や、熱心に写真を撮る方、また「あ、これ覚えている」、「昔はこうだった」などと楽しそうに話をしている方など、たくさんの方々に興味を持ってご覧いただいています。

 なお、部数に余裕のあるポスターについては、園内売店で販売しています。